2016年、仙台の街中から離れたこの吉岡の地で産声をあげた「吉岡宿にしぴりかの映画祭」。さまざまな分野で活動する仲間たちとともに、とにかく世の中にたくさん溢れている「知らないこと」を知り、みんなで考えようとの思いから、いろんな人の生き方を見つめたドキュメンタリー映画を特集し、今年で3年目になります。
今年のテーマは「ちがいって何だろう?」ということ。思えば、わたしたちの普段のコミュニケーションの中で、このちがいを意識する瞬間というのはどのくらいあるのでしょう。例えば、自分の何気ない言動が相手を傷付けてしまったり、逆に傷付いたり。お互い別な生き物なのだから、認識も感覚もちがって当然。さらに置かれている状況や環境が異なれば、自分の経験し得ないものに対して想像力を働かせることも難しく、安易に勝手な理解をしてしまったり、無自覚に見ないことにしてしまっている世界もあるのかもしれません。でももし自分が、身近な人が、その世界と無関係ではいられなくなったら…?
全てを知ることはできないし、人と関わることはきっと「分からない」ことが前提なのだと思います。でも、そうしたちがいを認めた上で、それでも知ること、分かろうとすることは、きっと自分の世界を広げ、人との関わりを深め、生き方を豊かにするはず。そのための一つのきっかけとして、もしあなたがここで素敵な映画に出会い、一緒に考えることができたなら、嬉しいなあと思います。
(実行委員/我妻和樹)